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4月3日、4時過ぎに目が覚めた。トイレの前にはすでに長蛇の列が出来ていた。完敗だった。仕方ないので、先に食事と片付けをすませ出発直前に並ぶことにした。6時前には列に並んだが30分以上待つことになった。
さて、気を取り直して出発だ。今日の行程は、新高塚小屋を出発して、宮之浦岳、くりお岳を経由して淀川小屋まで行くというものだ。途中、状況に合わせて永田岳、黒見岳にピストンしたいと思っている。天候は、曇り。いつ雨が降り出してもおかしくないような空模様だ。
歩き始めてしばらく急登がつづく。小一時間ほどで第一展望台についた。ガスのため展望はそれほどよくなかったが、沢にそってガスの道が二本走っている様子は少し幻想的だった。
もう少し歩いたところで、とうとう雨が降り始めた。すぐに雨具に着替え、ザックにカバーをかけた。雨足は結構強い。しばらく降り続けたが、途中から降ったりあがったりという状態になった。ガスは次第に濃くなり、展望は一向に開けない。
10時30分頃、永田岳への分岐である焼野三又路に到着。雨は霧雨状態だが展望は無し。永田岳に行っても仕方ないかと思ったが、早く小屋についてもすることもない。屋久島の焼酎に「三岳」という銘柄があり、それは「宮之浦岳」、「永田岳」、「栗生岳」の三つの山を指していると言うことを、昨日宿で聞いていた。ここはひとつ、下山してから「三岳」を美味しく頂くためにも頂上だけは踏んでおくことにした。
片道、約一時間。ほとんど歩いている人はなく、途中一人だけすれ違っただけだ。鹿之沢への分岐を右に行ってすぐのところにある15mほどの岩の上が山頂になっている。岩の上に登るのにロープが設置されていたが、霧のためなかなかそのロープに気づくことが出来なかった。10分ほど岩の周りを行ったり来たりしてあきらめかかったときにやっとそのロープに気づくことが出来た。なんとか山頂にたつことは出来たが、展望は全く無しだ。証拠写真を撮って、すぐに山頂を離れ、来た道を戻った。 焼野三又路に戻って昼食をとった。山の所々で携帯の通じるところがあると聞いていたので、チェックしてみたがアンテナはたたず。食事を終え、本日のメインイベント宮之浦岳に向かった。
三又路から急坂を約30分登ってようやく宮之浦岳山頂に着いた。展望は相変わらずだ。近くにいた人に登頂写真を撮ってもらった。その時、携帯電話で話している人がいた。ここなら通じるのかと思い、僕も誰かにメールを送ろうと、携帯の入れてあるザックのポケットを開けた。すると、どうしたわけか僕の携帯がない。他のところも隈無く探してみてみたが見つからない。そのとき、三又路で携帯をチェックしたことを思い出した。確かにあの時、携帯をチェックしたが食事中だったこともあり、開いているザックのポケットの口のところにポンと置いただけで、しっかりしまった記憶がない。そうか、三又路で落としてきたに違いない。そう思い、急いで三又路まで戻ってみることにした。空身で走って下れば、10分少々で着いた。休んでいたおばさんも一緒に探してくれたが、僕の携帯はどこにもなかった。どっと疲れが出て、とぼとぼと宮之浦岳に戻った。
肩を落として歩き続けて、再び宮之浦岳に登頂た。これ以上ここにいても仕方ないので、そのまま置いてあったザックを背負うために持ち上げたときザックとザックカバーの間に何かがはさまっているのに気づいた。もしかと思って、ザックカバーをはずしてみると、やはり携帯だった。
一安心して淀川小屋方面に下りはじめる。歩き始めてすぐのところに栗生岳の看板を発見。これで、三岳三山の完登成功だ。普段ならすごく展望のいいところらしいが、今日は真っ白だ。ただ、ササの中にヤクシマシャクナゲがたくさん生えていて、6月の天気のいい日に、ここに来ればすばらしい景色が見れるんだろうなと思った。とにかく、後は下山して三岳で祝杯をあげるだけだ。


雨の中を坦々と歩いていると、黒見岳の分岐に着いた。時間的には余裕はあったが、この雨の中黒見岳まで登る気になれずパスして直進することにした。分岐を過ぎてすぐに、花之江河に出た。これは、泥炭層湿原だそうだ。天気と季節が合えばすばらしいところなんだろうけど、今は花も咲いていないしあいにくの雨だ。長居しないで、すぐに通り過ぎてしまった。次に、小花之江河にでたがここも同じだ。通過してしまった。
小花之江河をすぎて、小一時間ほどで淀川小屋に着いた。それは、淀川にかかった橋を渡ってすぐのところにあった。一日中雨が降っていたにもかかわらず、淀川の水は澄んでいてきれいだった。小屋にはあまり人はいなかったが、僕はいつものようにテントを張ることにした。小屋の前には、テント用の広場がもうけられていたが、これから人が増えるかも知れないと考え、あえて奥の木陰にテントを設営した。