1日目


 
 4月1日、鹿児島のホテルを早朝にチェックアウトし、8時45分発のフェーリー屋久島2に乗り込みました。船内は、ゴールデンウイークということで足の踏み場もないほどの混みようだった。僕は、甲板の排気口の近くに暖かい場所を見つけ、そこで山際淳司の「みんな山が好きだった」を読みながらほぼ4時間を過ごした。天候が今にも雨が降りそうな曇り空で、風も強く九州といえどもかなり肌寒く感じるほどだった。正面には桜島が見えたが、その山頂は雲で覆われていた。
 出向してしばらくすると、進行方向に向かって右側の半島(薩摩半島)の先端に富士山型のきれいな独立法が見えてきた。後で調べると、日本百名山の一つ、開聞岳であることがわかった。海に向かって突き出た半島の先端にある、美しい独立峰で、思いっきり晴れた日にあの山に登れば、きっと半島の形がはっきりわかるすばらしい展望が開けているに違いないだろう。いつか登ってみたい山がまた一つ増えた様な気がした
 船は、4時間弱で屋久島の宮之浦に着いた。島についてまず最初に、宮之浦にあるダイビングショップに向かうことにした。今回の旅では、ダイビングだけでなく、時間があればシュノーケリングでも潜ってみたいと思っていたので、水中メガネ、シュノーケル、足ヒレの三点セットを持参していたのだ。ただ、山に持ってあがるわけにも行かず、店に預けておくことにしたのだ。
 その後、港のすぐ近くにある屋久島観光センターに立ち寄った。そこでは、入山届けも受け付けてくれるし、キャンプ用のガスボンベなど登山用品も扱っていて、宮之浦港にから入った登山者には便利なところだった。二階は食堂になっていて屋久島の料理を楽しむことが出来るようになってる。メニューには、アサヒ蟹や、亀の手ラーメンなどもあったが、僕は北海道では食べることの出来ないトビウオの唐揚げ定食を頼んだ。
 登山準備と食事を終えて、その日の宿泊地安房に向かうことにした。安房へは島の定期バスを利用した。観光センターの前がバス停になっていて、安房まで約40分で、料金は810円、その他に180円の荷物代がかかった。次の日も、定期バスを利用して荒川ダム登山口まで行くつもりだったが、バス停での張り紙で、ゴールデンウイーク中は定期バスが運休となり、屋久杉自然観から臨時バスが出るということがわかった。ただし、屋久杉自然観までの足はなく、そこまでは歩きかタクシーで行かねばならないようだ。
 安房に着き、町なかを安房川沿いに登り切ったところに今日の宿「水明荘」があった。そこは、安房の観光案内所にお願いしてゴールデンウイーク中にもかかわらず何とか見つけてもらった宿で、その日下山してきた方との相部屋だった。それは、一人旅の僕にとっては好都合のことでもあった。
 宿に着いてからまだ時間に余裕があったので、町中をぶらっと散歩することにしました。安房川をわたり少し小高いところに街を一望できるところがあり、そこで一休みして帰ってくると、相部屋の方も宿についてられた。すごく丁寧で真摯な方で、百名山完登を目指して全国を旅されていると言う方だった。すでにほとんど制覇されていて、残すは北海道だけだそうです。その夜は、宿の屋久島料理と島の焼酎三岳、それにいろんな山の話で楽しいひとときを過ごすこととなった。明日の朝は、4時に宿の女将さんがバスの出る屋久杉自然館までまで車で送ってくれることになり、天気だけが少し不安だった。

 

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